インポスター症候群の概要と歴史

もしかして、あなたもインポスター症候群?

まずは概要と歴史を確認

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インポスター症候群という単語に馴染みのない人も多いかと思います。ここでは、インポスター症候群の概要や歴史について紹介します。

インポスター症候群の概要

仕事において成功しているものの、自分を過小評価してしまう心理傾向に陥ることをインポスター症候群といいます。別名「詐欺症候群」や「ペテン師症候群」とも呼ばれており、近年はインポスター症候群に悩む人が増加傾向にあります。自分の能力と今の仕事が釣り合っていないと思い自信を失ってしまう、あるいは自分が仕事のできる人のように振る舞って周囲を騙していると感じてしまう、といった症状が見られます。実際は問題なく仕事ができており、周囲から正当な評価を得ているのですが、自己肯定感の低さから間違った感情を抱いてしまうようです。
具体的には、「今の自分があるのは運がよかっただけ」「自分の能力や価値を主観的に判断する」「成果を上げるためには完璧主義者でなければならないと感じる」「仕事に集中するあまりプライベートを犠牲にする」「強い孤立感を覚える」「バーンアウトによる精神的不調」などの症状が挙げられます。経験の浅い新人が陥るケースも多いですが、ベテランでも急にインポスター症候群になることがあります。むしろ、上位の役職に就いている人の方がインポスター症候群に陥るリスクが高いというデータもあるようです。

1970年代から研究されている

インポスター症候群は1978年に出版されたポリーヌ・R・クランス博士とスザンヌ・A・アイムス博士の著書で初めて紹介されました。この本では、周囲から仕事に対して高い評価を受けた150人の女性に対してインタビューを行っており、それに対して多くの人が「自分の成功は運によるものだ」「自分に対する評価には誇張が含まれている」と回答しています。1970年代に出版されたものですが、現代でも多くの成功者が同様の感情を抱いていることが判明しています。
ポリーヌ・R・クランス博士はその後も研究を進め、1985年にインポスター症候群を測定する6つの尺度を発表しました。「インポスターサイクルを持つ」「特別でありたいという気持ちがある」「超人的な特性を持つ」「失敗への恐れがある」「能力に対する否定や称賛を受け入れない」「成功に対する恐れや罪悪感がある」といった側面を持つ人は、インポスター症候群に陥りやすいとしています。なお、インポスターサイクルとは、インポスター症候群的な感情の循環的性質であり、タスクを割り振られた時点で不安や自己不振を感じ、これが結果的に先延ばしや完璧主義につながるといったものです。以下に、ポリーヌ・R・クランス博士の書籍を紹介しますので、興味のある人は参考にしてください。

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